今回は、書籍から学んだことをお伝えします。
書籍「フードサービス攻めの計数」とは
著者:清水均(しみずひとし)氏 出版社:商業界
初版が平成6年(1994年)ですから、約30年前に出された書籍です。
歯科医院の事務長をやっている方から薦められた本です。
その方は、チェーン展開をしているレストランの本部にいたこともあり、その頃にこの本で学んだ。
その知識を歯科医院経営の計数管理にも取り入れている。
私も読み進めているわけですが、その中から「人時生産性」というワードを取り上げたいと思います。
人時生産性とは
人時は「にんじ」と読みます。
生産性とは、資源(インプット)を投入することでどれだけの成果(アウトプット)を生み出せるかを示す割合です。
数式で表してみると、生産性=成果(アウトプット)÷資源(インプット)となります。
人時生産性は、資源(インプット)として労働時間を当てはめています。
まずは、成果を表す数値として、わかりやすい「売上」を取り上げてみます。
人時売上高
人時売上高=売上高÷総労働時間数
総労働時間は、社員とパートさんを含めた時間数です。
1ヶ月の売上高を1ヶ月の総労働時間数で割ると、1時間当たりの売上高が算出されることになります。
例えば、歯科医院での月間売上高が500万円だとして、歯科ドクターや歯科衛生士、受付、助手などのあらゆる職種の方の総労働時間数が500時間だとすると、
人時売上高は、1万円 となります。
500万円(月間売上高)÷500時間(月間総労働時間数)=1万円
人時生産性
売上高は、仕入高などの変動費を含めた数字になります。
そうなると、業種によって粗利益率が違います。
例えば、卸売であれば15%だったり、製造業では50%だったり、歯科医院では80%だったりと、かなりの差があります。
人時売上高が1万円と言っても、どれだけの儲け(粗利益)があるのかがわかりません。
人時生産性として最適なものは、粗利益額を総労働時間数で割ったものになります。
人時生産性=粗利益額÷総労働時間数
さきほどの歯科医院の場合を考えると、粗利益率は約80%とすれば、以下のようになります。
月間粗利益額 400万円
(算式)月間売上高(500万円)×粗利益率(80%)=月間粗利益額(400万円)
人時生産性 8000円
(算式)月間粗利益額(400万円)÷月間総労働時間数(500時間)=人時生産性(8000円)
まとめ
人時生産性は、粗利益額を総労働時間で割ることで算出した数字を用いるということです。
そうすれば、業種を超えても生産性の良し悪しが判定できることになります。
自社(自医院)の売上高と粗利率、総労働時間数を、押さえていくことが第一歩になります。
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